旅は人生なり
現地ブログ
2010.10.14 タヒチ/ボラ便りVOL.21「サメ天国」
ボラダイビングセンターの日本人インストラクター、中村裕子さんよりボラボラのお便りをいただきました。
今回はサメのお話です。
ぜひお読みくださいませ。
【ボラ便りVOL.21 「サメ天国」】
かつてのマンタパラダイスのボラボラが戻ってきた。
もう公にそういってもいいかもしれないほど、最近はほぼ100%の確率でマンタに会えるようになりましたよ。 しかも、5枚7枚と数枚見るのが普通で、お客様はもとより、私たちガイドのほうがいつも大はしゃぎです。
とマンタで導入しながら、今日はサメの話をするのです。
ボラボラといえば「リゾート」「マンタ」というイメージばかりが先行していますが
実はサメ天国でもあるのです。
マンタが見られるところというのは世界にたくさんありますが
サメがじっくりと間近に、しかも楽チンなダイビングコンディションで見られるところというのは
なかなかないのではないでしょうか。
例えばダイバーに有名なランギロアではオグロメジロザメは大群で見られますが
レモンシャークはいません。
ボラでは、そのポイントに行けば確実にレモンシャーク、ツマグロ、
そしてオグロメジロザメに、たまに、ネムリブカに会えます。
深く行くこともなく、流れもないコンディションでです。
サメというと怖いという人も多いですし、ある本によるとレモンシャークは時に凶暴になり、
ポリネシアでは人を襲ったという記録もある、と書かれていたりしますが
それは不用意に餌付けなどをしたインストラクターのミスでかまれたというだけで
それもたいていは軽い怪我ですんでいます。
少なくともここにいるサメたちは人間には食べ物として興味はないようです。
食べ物をくれる生き物、ということで寄ってきてはくれますが。
まずは潜って彼らをよく観察してみてください。
ことにレモンシャークは世界に400種いるというサメの中でも知能の高いサメとして有名です。
ボラボラには5~6頭のレモンシャークがいますが
みんな女の子で、毎年かわるがわる妊娠して常に体の大きい子がいます(妊娠出産は2年おき)。
レモンシャークの妊娠期間は約12ヶ月、完全な胎生です。
どこで交尾して、どこで出産するのかは分かっていません。
1年に一度姿を消し、数日後に傷だらけになって戻ってきます。
サメの交尾ではオスがメスにものすごく噛み付くので、メスの皮膚はオスの3倍ほどぶ厚いのだそうです。
好奇心はあるように見えます。
ダイビングのボートがポイントにつくと、下に集まってきますし
ダイバーの近くまで泳いできたり、目が合うこともありますが
これ以上は近寄りたくない、という野生の距離感は確実にあり
まあ3mより近づくと、彼女たちのほうが避けていきます。
ただし、魚をポケットにしのばせていたら、至近まできます。
その場合安全は保証しかねます。
ただし、お魚がほしいので、決して人に噛み付いてくるわけではありません。
背びれの先が黒いツマグロはレモンシャークと比べるととても小さく、かわいく感じます。
オスもメスもいますが、この見分けはとても簡単。
男の子にはおなかの尾びれに近いあたりにおちんちんが二つついています。
傷だらけの子や、ちょっとおなかのふくれている子がいたら、間違いなく女の子です。
約2億年の間ほとんど進化をしていないほど海のハンターとして完全形であり
その体には骨がなくすべて軟骨であること、
水流の摩擦を減らすためのサメ肌、大口があけられるようはずれるアゴ、
無限に生え変わる歯(うらやましい)、絶妙な形と配置のヒレ、
外見からは分かりにくい感覚器官など、興味の尽きない生き物、サメ。
マンタ以上に話はつきませんが、そんな彼らに会いに、ボラボラに潜りに来てください。
中村裕子 Nakamura Hiroko ネモワールド/ボラダイビングセンター
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