旅は人生なり
スタッフ日記
2008.02.15 インド仏跡列車リポート
ナマステ!インド・ネパールを担当している営業の橋場です。
近年経済発展が目覚ましいインドですが、最近は観光産業にも力を入れようと政府が大きく動き出しているのですが、それを象徴するかのように、インド国鉄が仏教遺跡を巡る特別列車の旅を企画してくれたため、インド政府観光局とインド国鉄の協力を得て視察ツアーに行ってきました。
その全容をお伝えしたいと思います。
ツアー日程:
1日目:デリー → ブッダガヤ (車内泊) 2日目:ブッダガヤ観光 (ホテル泊) 3日目:ブッダガヤ → ラジギール観光 → ナーランダ観光 → ガヤ (車内泊) 4日目:ベナレス → サルナート観光 → ベナレス観光 → ゴラクプール (車内泊) 5日目:ゴラクプール → クシナガル観光 (ホテル泊) 6日目:クシナガル → スノウリ国境 → ルンビニ観光 → ゴラクプール → ゴンダ (車内泊) 7日目:ゴンダ → スラバスティ(サヘート・マヘート)観光 → ゴンダ → アグラ (車内泊) 8日目:アグラ観光 → デリー
列車の旅のスタートとなる、デリー・サフダルジャング駅。私が訪れた時は若干の工事をしていたが、他のインドで見られるような駅とは全く違い、非常に奇麗。インド国鉄が気合いを入れて取り組んでいる様子がわかった。
まずは伝統音楽の生演奏の中でサリーを着た女性がお花の首飾りをかけてくれてお出迎え。
スタッフからカウンターへ案内されてチェックインをすると、チケットなどが渡されます。
列車が入線するまでの時間は生演奏が聞こえる華やかなお祭り雰囲気の中で、椅子に腰かけてチャイ(紅茶)やコーヒー、スナックを食べながら過ごすもよし、ホームをうろつくのも良し。
「これから列車の旅が始まる!」と気分が盛り上がってくるのを実感!
「どんな列車が来るんだろう?」と気分は不安と期待でいっぱい!
写真を撮り、お茶をしながら待っていると、ついに列車が入ってきました!
「ん? これっていつもの普通の列車では?? でも、客車はそれなりに豪華な造りをしているんだろう。」と前向きな私。
客車のドア前で出迎えてくれるスタッフ。
スーツケースはポーターが運んでくれます。
列車の各ドアにはセキュリティーが立っているのでとても安心。
恐る恐る、列車内に足を踏み入れてみると、いたって普通の列車でした・・・。
確かに、インドのローカル列車に比べれば、はるかに奇麗ですが。写真にあるお部屋はツインのファーストクラス。下段の椅子の背もたれを倒すとベッドへ早変わりします。それにしても、正直気分は少しトーンダウン(笑)。ラグジュアリーな列車をイメージし過ぎました・・・。
設備は読書灯、ゴミ箱。電源はマルチタイプの110V電源のため、変換プラグが無くても日本のコンセントがそのまま使えますが、充電やパソコンなどの小電力用。ミネラルウォーター1Lが一人一本毎日サービスされます。
肝心な寝心地ですが、思ったよりも寝られました。特に旅の終盤は疲れもあると思いますが、普通に熟睡です。
5:30 ゴラクプール駅に到着。モーニングコールとして列車のスタッフが紅茶をお部屋へ運んできてくれるので、寝過ごす心配がないので安心。スーツケースは客室の前の通路に出しておくと、ポーターがバスまで運んでくれるので非常に楽ちん。スタッフ先導のもと、列車を下車して駅を出ると目の前に専用バスがお出迎え。
いよいよインド仏教の史跡を観光
日本ではタージマハルなどの特定の観光名所のみが知名度が高く、その他の観光名所はまだ知名度が高くないように感じます。しかし、インドにはユネスコ指定の世界遺産が27か所もあり、それ以外にも魅力ある観光名所が非常に多い観光大国です。中でも仏教に関する史跡は世界的に最も重要な名所がその名を連ねています。
例えば、、、
ルンビニー
ここでお釈迦さまが生まれた。
ラージギル
お釈迦さまが布教の拠点とし、仏教寺院の発祥の地。
サヘト・マヘト
祇園精舎で知られ、お釈迦さまによって阿弥陀仏経が説かれた。
クシナガル
お釈迦様の涅槃の地。80歳でその生涯を閉じられた。
これらは仏教6大聖地と呼ばれ、このツアーではその全てを巡るのです。さらに、当時世界最大と言われた仏教大学の遺跡観光まで含まれていて、とても充実した内容です。
ナーランダ
5世紀に創建。12世紀にイスラム勢力に攻撃を受けて破壊されるまで続いた。当時としては世界最大規模の仏教大学だったといわれる。玄奘三蔵法師もここへ留学していたことで知られる。
お楽しみの列車内のご夕食
さて、観光も終わり列車に戻り、お腹が空いてきたところでディナーのお時間。
自分の客室にお食事が運ばれてくるのですが、これが予想以上に(失礼!)美味しくてビックリ!
食事の種類はインド料理、西洋料理、日本料理を用意。
今回は食堂車は連結されていませんでしたが、来年から食堂車を導入するそうです。楽しみ!
こちらはインド料理。チキンカレーやマトンカレー、ダル(豆のスープ)、ローティ(ナンとは違う)、ご飯などがセットにされた、ターリーと呼ばれるインドの典型的な食事スタイル。外国人に合わせて、辛さはほどほどに抑えられており、辛いものが苦手な私も問題なく食べられた。味はとっても美味! 町中のレストランと同等の味が楽しめる。ベジタリアン用の野菜カレーも用意されている。
こちらは日本食。海外で食べる日本食は日本食を知らないシェフが作ったことがバレバレの料理が非常に多いが、なんと今回の列車にはホテルで日本人シェフのもとで10年間経験を積んだインド人シェフがキッチンで腕を振るっていた! 鮭と野菜の醤油炒めは驚くほどに日本の味そのもので大変美味しく、味噌汁はしっかりダシを取ったもの。お寿司も本物! まさかインドで、しかも列車内でこれだけの日本食を食べることが出来るとは夢にも思っていなかった。
列車内のキッチン。出来上がったものをただ温めているのではなく、しっかりその場で作っていました。ちなみに右手の頭の薄いおじさんが日本食のシェフです。
食事の前にスタッフがテーブルをセットしにきてくれ、その後料理を運んできてくれます。スタッフはとっても親切でフレンドリー。
ホテル滞在はやっぱり快適!
このツアーは計11日間と比較的長いため、列車だけではなく、ところどころでホテル滞在もしっかり組み込まれており、体に無理のない行程になっている。実際、思っていたほどきつい行程ではなく、観光も全体的にずいぶんとゆとりを持った時間配分であることに感心した。
今回2か所のホテルに宿泊しましたが、ここはそのうちの一つ。
もともとこの周辺にはホテルが非常に少なく、選択の余地はほとんどないのが実情。外観やロビーはしっかりしているものの、お部屋はこの程度。しかし、ここは特に不自由もなく良い方では?
観光客だけではなく、巡礼の旅の一団も宿泊していたので、巡礼宿と考えれば豪華なお部屋は必要ないのでしょう。
朝食、昼食、夕食共にこのホテルでインド料理、コンチネンタル料理のビュッフェ・スタイルで食べましたが、味も美味しくて満足。
このホテルだけではなく、このツアーは全体的に食事が美味しい!
また、宿泊はしませんが、列車内にシャワー設備がないために、毎日早朝、列車が駅に到着するとバスで近くのホテルに案内してくれて、観光に出かけるまでの数時間、お部屋を使わせてくれるように行程が組まれています。朝食もそのホテルで食べるので、ゆったりした気分で1日が始まります。
クラークス・ベナレス
このホテルは朝のシャワーと朝食のために利用したホテル。一大観光地の大都市にあるホテルだけあり、田舎のホテルとはあからさまに奇麗でゆったりした雰囲気。朝食は今回のツアーで一番美味しかった。宿泊ではないのが残念・・・。
ロータス・ニッコウ スラバスティ
このホテルも朝のシャワーと朝食、昼食のために利用したホテルですが、ここも巡礼地という場所がら高級ホテルはなく、このクラスのホテルでもこの場所では一番良いホテル。
食事も美味しく、普通に快適でした。不便といえば通信事情が非常に悪いために電話が通じづらいということでしょうか。場所がら仕方がないと諦めるしかない・・・。
インドといえばヒンドゥー教。そしてタージマハル!
仏教の史跡が中心の旅程ではありますが、インドに来てやっぱり外せない有名な観光地はしっかり見て帰国してもらいたいという、インド国鉄の情熱?もあり、仏教関連以外の観光名所も満喫できるよう行程が組まれているのも素晴らしい! 仏教とは違った文化に触れることができるので、文化の違いを実感できる変化に富んだ観光内容です。
ベナレス
ヒンドゥー教にとって最も神聖な巡礼地となっているのが、ガンジス河が流れる聖地ベナレス。この聖なるガンジスを求めて、日々多くの人々が押し寄せる。
このツアーでは聖なるガンジスをボートで観光し、最大のハイライトとも言えるヒンドゥー教 献火の祈りの儀式である「アールティ」をボートから見学。聖地で行われる儀式は大変神聖な雰囲気に包まれ、異文化を肌で感じずにはいられない。
アグラ
(左)タージマハル(1983年登録世界文化遺産)
(右)アグラ城塞(1983年登録世界文化遺産)
16世紀から19世紀にかけてインドを支配したムガール帝国。どちらの建造物もその時代の栄光と強大な権力の象徴であり、インドにおけるイスラムの影響が伺える。
この非常に素晴らしい2つのイスラム建築は共に世界遺産に指定されており、見ごたえ十分。
ツアーを終えて
今回のツアーは世界でも重要な仏教の史跡を巡るという趣旨で考えれば、全体的にとても満足でした。これまで同じ行程を旅しようと思ったら、ほとんどの行程でバス移動となり、そういった場所は道路が舗装されていない悪路が多いために過酷な旅程にならざるを得なかったという現実があります。
それを思えば主要な行程は列車で移動。しかも個室で移動できるわけですから非常に楽です。
列車が遅れたり観光が押してしまうこともありましたが、この列車はインド国鉄がこのツアーのために特別ダイヤを組んで運航しているので乗り遅れる心配もなし!
観光が押してしまって列車の出発時刻に間に合いそうになかった時もインド国鉄のツアースタッフが「あの列車は私たちが運行している列車だから出発時間はどうにでも変えられるから心配しないで下さい!」と言っていたのが良くも悪くも印象的な言葉でした(笑)。
食事は全てにおいて大満足。出発前は1年分のカレーを食べて帰る覚悟でしたが、全くそのようなことはありませんでした。ビュッフェが中心になるので、インド料理もあればコンチネンタル料理もあり、列車内では美味しい和食が食べられる。
行程も非常にゆとりを持って組まれているので、体力的にも問題なし。列車は早朝駅に到着するので、朝は早いですが、ホテルでシャワーを浴びたり、朝食を食べる時間が十分にあったり、お昼を食べた後もホテルで休憩時間をはさんだり、とにかくゆったり行程です。今回ご年配のご夫婦も参加していましたが、最終日まで元気でいらっしゃいました。
とは言え、昨今人気を集めているラグジュアリーな豪華旅行を求めている方には、正直合わないかなと感じます。田舎にある巡礼地という場所がら、設備の整った豪華ホテルがあるわけでもなく、高級レストランなどあるわけもなくといった具合です。
しかし、世界に点在する仏教の史跡の中でも、特筆すべき最も重要な6大仏教史跡を一度に訪れることができるといった、お釈迦様の足跡をたどるありがたいツアーという趣旨では最高のツアーでしょう。
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