魅力ある国の旅情報

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パキスタン

2007.03.23  悠久の歴史、壮大な自然美、そして癒し

パキスタン東部、インドとの国境沿いの町ワガ。ここでは両国が戦闘状態にある時を除いて連日、両国の国境警備隊が国旗を奉納するセレモニーを行い、観光客の喝さいを受けている。
パキスタン第2の都市ラホールから車で約35分のワガに向かう道中で、街角を我が物顔で歩き、道に寝そべる牛の数が増えていくのに気づいた。牛を聖なる動物とあがめるヒンズー教徒が多く住むインドに確実に近づいていると感じられた。
国境ゲートをはさんで人々の大歓声が響いていた。インド側は「ヒンディスタン、マタキー(ヒンズー人の国、母なる大地)」と唱える1000人近い人々。パキスタン側では約500人の「パキスタン、アッラーアクバル(アッラーは偉大なり)」の大連呼が起きていた。
カシミール地方を舞台に両国は戦争を3度繰り返し、1998年には核実験まで強行した。昨年のパキスタン大地震の復興支援を通じて雪解けが進んだものの、まだ十分とは言いがたい。
しかしワガの国境ゲートでは、両国の観光客の歓声が音楽に乗って平和裏に響き渡っていた。

パキスタン・ワガの地図 セレモニーは英国から独立した47年に始まった。国境ゲートの鉄条門をはさみ、暑苦しい制服に身を包んだ両国の警備隊員が足を頭より高く上げ、靴のかかとを地面に激しく打ち鳴らして相手を"威嚇"することから始まる。「どちらがより高く美しく力強く足を上げ、下げられるかが最初のポイントだ」と観光客の一人が教えてくれた。
メーンイベントは、国旗を奉納する際に高さ約10メートルのポールの下部に巻きつけたヒモをどちらが速く解きほどくか。歓声が最高潮に達した。
この日のヒモ解きはパキスタンの「勝利」。両国の国旗は地上近くで交わるような形になり、両側から大きな拍手がわき起こった。
両国の国境線で唯一、陸路での一般通行が認められているワガでの行事。市民の間に沈殿する対立感情を発散させる国家的な仕掛けだ。同時に、両国警備隊の平和な関係を願う純粋な気持ちが「国旗の交わり」に象徴されているように感じた。