旅は人生なり
魅力ある国の旅情報
ネパール
2007.04.23 壮大な大自然とそこに住む人々の透き通った瞳
パシュパティナート(カトマンドゥ)
ガンジスの支流であり、聖なる川とみなされるバグマティ川の川岸にあるパシュパティナートは、ネパール最大のヒンドゥー教寺院であるばかりでなく、インド亜大陸にある4大シヴァ寺院のひとつでもある。
ヒンドゥー教3大神のひとりであるシヴァは破壊神で、バイラヴ、ルドゥラ、マハーデヴなどのさまざまな化身をもつ。獣の王という意味のパシュパティもその化身のひとつ。シヴァはこの森をこよなく愛し、金の角をもつ鹿パシュパティとなってこの地に遊んだ。そのため、この地域一帯は今でも鹿の住みかという意味のムルガスタリと呼ばれている。
パシュパティナート寺院と火葬場周辺だけを見て引き返す人が多いが、森に遊ぶ野生の狼や、修行中のサドゥーに出会うこともあるので、時間か許せばぜひ一周してみたい。
パシュパティナート寺院はヒンドゥー教徒以外の立ち入りを禁止している。兵士が守衛にあたる東門に突きあたり、シヅァの乗り物、ナンディ(牡牛)像のお尻を見たら引き返す。
橋のたもとには火葬場、アルエガートがある。橋を侠んで上流にふたつ、下流に4つの火葬台があるが、一番上流の石台は王族専用で、普段使われることはない。庶民の火葬場は橋の下流。いつ行っても異臭を帯びた火葬の煙がたなぴき、
遣灰は型河バグフティ川に流される。ここでは対岸の石段に陣取り、次々と執り行われる葬儀と火葬の様子を眺めながら、輪廻転生を信じて墓を造らないヒンドゥー教徒の死生観に思いをはせてみよう。
ガート(堤)に面したバシュパティナートの西門を望む川岸にはエッカイダス・ルドウラと呼ばれる11の白い塔があり、シヴァ信仰の象徴であるリンガが祀られている。ここから石段を上り、丘のほうに向かうと、ヒンドゥー教徒以外の立ち入りを禁止しているヴィシュワルーブ寺院が、さらに進んでムルガスタリ森にあるゴルカナート寺院を過ぎると、カ一リーを祀る高い赤レンガの塀に囲まれたグヘシュワリ寺院がある。ここにもヒンドゥー教徒以外は入れない。
そして、バグマティ川沿いの道を進むとキラテシュワール寺院に通じる上りの石段がある。最古のシヴァリンガ(男性性器をかたどったシヴァの象徴)を祀るこの寺院が現在、ネワール族のサドゥーによって守られており、満月の夜にはクラシック音楽の夕べが開かれる。
再びこー般道に戻り、細い坂道を上ると、カイラスコットと呼ばれる高台にいたる。晴れた日、ここからはマナスル山群のヒマルチュリが見えるので、ひと休みするといい。この道を南に行くと下り坂はバシュバティナートの参道につながっており、再び巡礼者のざわめきに包まれる。
