株式会社コックス・アンド・キングス・ジャパン

旅は人生なり

旅は人生なり

2006.10.25  職場の人間関係の適正

秋の季節となりました。会社は新入社員を迎えるに当たって、期待を膨らませているシーズンです。

"社員は会社の財産である"とよく言われますが、旅行産業にとっては社員だけが財産であるといっても言い過ぎではありません。

ですから、人の採用にあたっては、いつもたいへん気を遣います。たとえば、営業社員を採用するとき、その人に営業的手腕、能力があるか、そのような適性を持っているかどうかはもちろん重要なことですが、このことを第一に選ぶと、腕は確かに良いけれど、社内での人間関係がちょっと・・・・ということになりかねません。

わが社の人間関係への適性や、円滑さ、親密さを計るため私の材料の一つに、「エゴグラム」を採用して、役立たせてています。

私の使っているエゴグラムは、一種のアンケートのようなもので、50ほどの質問からできていて、応募者に、「はい」、「いいえ」、「どちらともつかない」と記入してもらいます。

たとえば、「義理と人情を重視しますか」、「融通がきくほうですか」「涙もろいほうですか」「料理、洗濯、掃除など好きなほうですか」(お見合いの質問みたいですが)といった調子です。

このような設問は、掃除の好き嫌いを直接的な判断材料にするものではありません。

質問はその人の5つの自我の因子の傾向を判断できるようにできているのです。

自我の因子は次のようなものです。

 

(1)    他人の誤りや悪いところを指摘し直させるような自我。これはちょうど親が子供に「そんなことをすべきでない」などとしつけをし、「良い-悪い」のけじめや、評価をする自我で、CP(Critical Parent=批判的親)と呼びます。

(2)    他人がよりよくなるように心配し、育てようとする自我。親が「勉強しているの?大変ね、しっかりしなさいね」などと世話をする自我で、NP(Nurturing Parent=保護的親)と呼びます。

(3)    感情にとらわれず、冷静に事実に基づいて物事を判断し、合理的に行動し、意思決定する自我で、「おとな」の面を表します。これをA(Adult=おとな)と呼びます。

(4)    自分の欲望になど自由に、天真爛漫に通そうとする自我で、子供の一面に当たります。だからこれをFC(Free Child=自由な子供)と呼びます。

(5)    やはり子供の一面などが、上記FCとは違って、無理をしていても、良い子でいようとする自我です。従順な面もありますが、自分を責め、劣等感にもつながります。これを、AC(Adapted Child=順応する子供)と呼びます。

グラフ.jpg

採用した人のエゴグラムを見ると私たちが選んだ人には、結果的に、[例1]のようなタイプを選びがちなのですが、採用時、営業次長・課長に人選を依頼すると[例2]のタイプが多くなるようです。

このエゴグラフの分析の目的は、あくまで自己の"今・ここでの"自我の状態に気付くことにあり、他人を分析の状態に気付くことにあり、他人を分析するためではありませんで、わが社では人の採用の時に用いて採用者にこのエゴグラフら自己の要因に気付いてもらい、旅行産業にとって一番大切な人とのかかわりのあり方、接客について説明します。

 

人はA(Adult-おとな)や、P(Parent-親)などを時によって使い分け、それによって、人間関係や仲間のムードが決まります。いつもA(Adult-おとな)とAではつまらないでしょうし、教育ママみたいにあれこれ注文をつけるのも時には必要です。しかし、人間の基本的な自我はあまり変わらないでしょうから、どのタイプの人が多いかによって、社内のムードもずいぶん変わるようです。いままで述べたことは、TA(Transaction Analysis)という心理分析の応用で、数年前にあるきっかけから知るようになりました。決して専門的にマスターしたわけではありませんが、私なりに役に立てています。TAでは職場における、顧客とのかかわりにおける対人関係をうまくやる方法として、「相手の人を変えることはできない。変えることができるのは、今・ここにいる自分です」と教えています。

そのTAの原理に、ストローク(Stroke)というのがあります。ストロークはもともと"なでる"とか"さする"という意味です。子供の頭をなでるのも、子供に幸せなフィーリングを持たせるわけですが、おとなの場合はもっと心理的なものです。心のふれあいにつながる言動です。

外国の夫婦や恋人たちが連発する"I Love you"はプラスのストロークの代表的なものです。プラスとわざわざ断ったのはマイナスのストローク(逆撫で?)もあるからです。

朝、顔を見ても「お早う」とも言わないとか、相手の雰囲気に水をさすような態度とか、いつも「○○君の仕事はおそいね。だから、結局は私がやらなければならないじゃないの!」などの言葉はマイナスのストロークの代表です。

社内の人間関係のなかで、プラスのストロークを増やし、マイナスのストロークをなくすことに努めることが、仕事で成果を上げるための基盤として、また幸福な職場生活を築く上でも、とても大切なことだと考えています。機会があれば社員との会話の中に取り入れています。

こんなことはTA手法以前の問題で、誰でも考えていることでしょうが、プラス・マイナスと意識していると、結果はずいぶん違います。

お客様にお茶を差し上げる時に、そのお茶を出す動作に加えて「どうぞ」とか「あついうちに」とかの言葉を一言そえることにより、「ありがとう」のプラスのストロークを受けとることが出来ます。

人々に関心を持ち、誠実であることが望ましいことはいうまでもありません。旅行業界にとって、情勢がきびしい折から社員のプラスストロークがまさに心の糧となっている毎日です。

 

松井千枝子

 

投稿者 blog担当 (20:40) | PermaLink
コメントを投稿する

いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。

TrackbackURL :